Xbox EliteコントローラーをWindows 10で使う

 「Xbox Elite ワイヤレスコントローラー」(以下Eliteコントローラー)が発売されたので、“Windows 10用として”買ってみました。

 このコントローラーは「Xbox One Elite」とセットになっているコントローラーで、米国、欧州ではコントローラー単体でも、本体セットと同じ2015年10月末に発売されました。日本ではこのコントローラーがセットになった「Xbox One Elite」が2015年11月19日に発売される予定ですが、(恐らくコントローラーの)生産数が当初少ないことを見越してなのか、日本でのコントローラー単体の販売は、2015年11月初旬時点でもアナウンスされていません。関係筋によると年内の単体販売は難しいとの情報もあり、コントローラーだけ欲しい人はしばらく我慢の時期になるようです。

■輸入しました

 私はというと、いつぞやのXbox Oneコントローラーと同じく輸入を画策しましたが、9月下旬になって探し始めたところ、米国のAmazon.comではマイクロソフトのリージョン管理に従ってか、日本への輸出をしない販売店がほとんで、eBayを含めて、すでにプレミア価格に値上がりしていたため、まだ平穏だった英国のAmazon.co.ukで注文しました。

 英Amazonでの注文日は10月10日で、マーケットプレイスの販売店ではなく、Amazon.co.ukが販売・発送する(プレミア価格でない)商品を予約できました。英Amazonではその後、発売日や入荷状況が二転三転したものの、比較的初期の予約であったためか、11月2日に発送され、少しだけ速い配送にしたので11月4日に自宅に到着、不在だったため翌5日に受け取ることができました。

■Windows 10で使います

 Eliteコントローラーの概要は、すでに日本語で紹介している公式ページがあるので割愛しますが、ここではXbox Oneを持っていない(!)私が、Windows 10で利用する際の環境を含めて紹介していきます。

 ベースとなっているXbox Oneコントローラーと今回のEliteコントローラーは、公式にWindowsパソコンでの利用がサポートされています。ドライバが提供されており、Windows 10ではOSにドライバが含まれています。

 Eliteコントローラーは、読み込まれるドライバ自体はXbox Oneコントローラーと同じもののため、Xbox Oneコントローラーと全く同じ仕様(カスタマイズ性ゼロの状態)であれば、ドライバが対応するWindows 7以降で利用できます。この場合、背面のパドルはA、B、X、Yボタンになります(後述)。

 一方、Eliteコントローラーの特徴であるスティックやトリガーの感度調整、背面パドルの設定といったカスタマイズ性は、Windows 10のみを対象に提供されるWindows Storeアプリ「Xbox アクセサリー」でのみ設定できるという仕組みです。Eliteコントローラーの存在意義を考えれば、WindowsではWindows 10のみが対応すると言って差し支えないでしょう。

■Windows Storeアプリ、技適

【自己責任でお願いします】
 Windows Storeアプリ「Xbox アクセサリー」(英語版の名称はXbox Accessories)は、2015年11月7日時点で、日本からはWindows Storeの検索結果に出てこず、米マイクロソフトのWebサイト経由でWindows Storeのページ(←「Windows Store」アプリが起動します)にたどり着いても、呼びだされた「Windows Store」アプリのページではボタンがグレーアウトしてダウンロードできないようになっていました。

 そこで、Windows 10のコントロールパネルにある、「地域と言語」の設定で「国または地域」の項目を「米国」にしたところ、「Xbox アクセサリー」アプリ(日本語版)をダウンロードできました。ダウンロードできるのはWindows 10のみで、Windows 8.1以前ではダウンロードできないようです。ダウンロード後は、地域の設定を日本に戻しても問題なく利用できています。もっとも、これらは日本で本体セット「Xbox One Elite」が発売される頃には解決している問題だと思いますが……。

 ちなみに英Amazonから輸入した今回のEliteコントローラーですが、技適マークの印刷は省かれていました。Eliteコントローラーはグローバルで単一仕様とのことですが、初期ロットの中にはハナから日本で販売しないことを前提に生産(貼り付けるシールの仕様違い)されたものがあるということになりますので、将来的に無線で利用し、それを周囲に喧伝する場合(笑)、海外の初期ロットの個体は留意する必要があるでしょう。

■ハードウェアとして

 ハードウェアとしてのEliteコントローラーの特徴は、金属製パーツで各部の耐久性や操作感を高めた上で、マグネットによる素早い着脱性と、スティックのサイズやトリガーのストローク量の物理的カスタマイズを実現し、なおかつ背面に最大4つの、マグネットで着脱可能な金属製パドルを装備しているという点です。これらはさらに、後述するように、ソフトウェア的な調整にも対応します。

 トリガーボタン(LT、RT)は、背面にあるスライドスイッチにより、物理的なストローク量を6割程度にまで短くすることができます。トリガーボタンをオン・オフのみで認識するゲームの場合、この「トリガーロック」により、ボタンとして無効化させることができます。これは、ロックによりストロークが途中で止まり、スイッチ・オンを認識する“オペレーションポイント”まで到達しないからです(ゲーム側の設定にもよると思います)。

 一方、前述のWindows Storeアプリ「Xbox アクセサリー」を使ったカスタマイズにより、トリガーのストローク後半のデッドゾーン(不感領域)を大きく取れば、ストロークの後半にあったオペレーションポイントが、感応領域が狭められたことでストロークの前半側にソフトウェア的にシフトすることになり、「トリガーロック」状態の短いストローク量でもボタンとして認識できるようになります。

 左右のスティック(親指スティック)は金属製になり、操作感に適度な手応えが加わって、アーケードゲームのスティックのような質の高い操作感になっています。スティックを押しこむボタン操作もブレがなく正確性が増した印象です。マグネットで装着されており、簡単に着脱できる仕様ながら、ゲーム中に外れてしまうような不安はない程度に、しっかりと装着されます。このマグネットの仕様は方向キー、背面のパドルも同様です。私は今のところ、従来と同じ、最も短いスティックを利用する予定なので、ほかの長さのスティックの使い勝手は割愛します。

 方向キーは、従来と同じ、明確な十字方向のキー形状を基本にしながら、新たに多面性方向パッドと呼ばれる皿状のキーが設定されています。従来型の十字キーにも、もちろん交換できます。この多面性方向パッドは、十字キーの上に皿を乗せたような形状で、内側(凹面)はサイコロの面を展開したような、直線と面で構成されています。

 この形状、ちょっとキャッチーな見た目もあって、最初はイロモノかなと疑っていましたが、使ってみると思いのほか理にかなった形状で、すんなりと馴染めました。まず皿の内側は直線と面で構成されているため、指先の感触で縦・横の十字方向を認識しやすいという点があります。縦横無尽に入力する八方向キーのような使い方が可能な一方、台座は十字キーなので、指先に感じる線や面に従って、四方向に正確な入力も可能です。

 また、十字キーと比べてキーに高さがあるため、親指スティックとの高低差が少なくなるのも扱いやすいと感じました(デフォルトの最も短いスティックでの感覚ですが)。とにかく縦・横を正確に入力する必要がある場合は十字キーを装着すべきでしょうが、縦・横を連続して素早く入力したい場合は、この多面性方向パッドのほうが操作しやすそうです。

■背面パドル、理想と現実

 外観上最も特徴的なのは、背面のパドルでしょう。この中指や薬指が収まる部分にボタンを取り付けるアイデア自体は、すでにサードパーティ製コントローラーや「Steamコントローラー」でも採用されていますが、どちらかというと「そこまでやるか」的なゲーマー仕様をマイクロソフトが取り入れてきたことが驚きだったわけです。盛り上がりを見せるプロゲーマー市場やゲーミングデバイス市場へのマイクロソフトなりのアプローチといったところでしょうか。

 背面パドルは、その見た目からくる個人的な印象・想像と実際のソフトウェアの仕様にちょっとギャップがあったので、先にその点に触れておきます。

 簡単に言うと、背面パドルのボタンは、新規に追加されたボタンではなく、既存のボタンのどれかを割り当てられるボタン、ということです。

 アプリ「Xbox アクセサリー」(Ver.100.1510.30008.0)では、1つのパドルに対して、A、B、X、Y、LB、RB、LT、RT、Lスティッククリック、Rスティッククリック、方向キーの上、下、左、右のどれか1つを割り当てることができます。ちなみに、アプリではパドル以外のAやLTといったボタンについても自由に割当を変更でき、無効化することも可能です。

 EliteコントローラーはWindows 10対応を謳っていることもあり、この背面パドルには、キーボードのキーを登録できるといったPCゲーマー的自由度があると勝手に予想していたのですが、そうではなかったようです。

 メリットはというと、「同時押し」が大幅に拡張される点ということになるでしょう。左親指、左人差し指、右親指、右人差し指がすべて操作中、あるいは押下待機の状態でも、まったくポジションを変えることなく追加で押せるボタン、それが背面パドルの役割です。例えば、持ち方やポジションを大幅に変えないことを前提に、右手側で考えてみると、右親指で右スティックを操作しながら、右人差し指でRBやRTを押しつつ、さらに、本来なら右親指をスティックから離して操作する必要があるAやBなどのボタンを、そうすることなく、背面パドルで押せるようになります。

 背面パドルは新しいボタンというより、“新たなポジション”を狙って置かれたボタンです。新たなアサインではなく、いままで同時に押せなかったボタン操作を実現し、それによってゲームの中で優位にたてる、というのが現在のコンセプトだと思います。

 前述のアプリの設定で、連射や、ボタンの同時押しをセットで登録するコンビネーションなど、キーボードとはそもそも関係ない便利機能や拡張機能が用意されていない点には、やはりベーシックすぎると不満の声はあるようで、もろもろ、今後のアプリのバージョンアップで対応されることに期待したいですね。

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 もっとも、こうした仕様になったことは納得できる部分もあります。Eliteコントローラーは、あくまでも家庭用据え置き型ゲーム機「Xbox One」のコントローラーとして開発されており、Windows 10対応といっても、現状のアプリの仕様では、PCゲームに最適化されているわけではないということです。どちらかというと、「Xbox One向けのセッティングをWindows上でも行える」「その仕様上、Windowsでコントローラーとして使う場合にもカスタマイズ結果が適用される」といった表現が適切かもしれません。「Xbox アクセサリー」でできるのはボタンの置き換えとスティック感度などの調整で、キーボードの操作を取り込んでいくような“拡張”ではないのです。

 Xbox Oneの既存タイトルにも対応するという意味では、背面パドルは、すでにあるボタンを便利に押せる代替のボタンである、という必要性があったのだと思われます。新規のボタンとした場合、それがアサインされていないElite発売以前のゲームタイトルはまったく恩恵を受けられないか、Eliteコントローラーのためにインターフェイスの改修を行わなければならないと予想されるからです。既存のボタンをパドルに設定できる、ということであれば、今後を含めたすべてのタイトルでパドルを活用できる可能性があり、そのカスタマイズの必要性は常にユーザー側に委ねることができます。

 プロゲーマー仕様として(本当にプロゲーマーが使うかどうは知りませんが)、こうしたカスタマイズ設定を、2つまでコントローラー側に保存できる仕組みというのも、外出先にも設定を持ち出せるというゲーマー的要件として、重要なポイントでだったのでしょう。カスタマイズ結果をコントローラー内に保存でき、しかもその変更内容は置き換え・調整などコントローラーの中で完結しており、外部からは普通のコントローラーとして見えている必要がある、という仕様は、ユーザーが持つPCキーボードのキーやキーコードを割り当てられない遠因になっていそうではありますが。

 なお、背面パドルは、使わない場合は外せますし、1つだけや2つだけを装着して使うことも可能です。むしろ4つ装着した状態は中指、薬指が浮いた状態になるため、トリガーをトリガーロックなどで無効化して、人差し指をコントローラーを支えるメンバーだけに使用にしたくなります。ゲームに合わせて付けたり外したりしてカスタマイズ・最適化するのがこのコントローラーの使い方ということになるでしょう。

■アプリ、そのほか

 アプリ「Xbox アクセサリー」(Ver.100.1510.30008.0)ではほかに、スティックの感度や加速度を、5種類のプロファイルから選択できます。バイブレーションは左右のメイン、トリガーそれぞれについて振動の度合いを調整でき、Xboxボタンの輝度設定、スティックのY軸反転設定もあります。

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 前述したようにトリガーは入力の始めと終わりにデッドゾーンを自由に設定でき、デッドゾーンの取り方次第でオペレーションポイントをストロークの前半側にシフトさせることもできます。ただしオペレーションポイントの場所は画面上に表示されないので、遊びたいゲーム側で意図した調整になっているかどうか、試す必要があります。

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 これらの設定は名前を付けてスロット1、スロット2のいずれかに保存でき、コントローラー中央にあるスライドスイッチで瞬時に切り替えることができます。

 なお、この「Xbox アクセサリー」アプリの内容ですが、Xbox One上で利用した際も同じような設定ツールを使うようです(私自身は未確認です)。

■まとめ

 EliteコントローラーをWindowsのゲームで使う場合、評価の分かれ目は、パドルの使い勝手が今後どう拡張されるかにかかっていると言えそうです。現状でも、操作性を含めて高品質な手応えなので、純粋に「良質なコントローラー」として求めるのもアリですが。

 私としては、Windowsのゲームにおいて、パドルにキーボードのキーやマクロ設定が適用できないのは残念だと感じますが、だからといって無価値とまでは思えません。遊ぶゲームによるのですが、やはり現在のゲームコントローラーにおいて、LとRのキー(XboxならLB、RB)は、押すための指のポジションが自然ではなく、手のバランスが変わるという点で“移動コスト”が高いと感じます。ABXYを押しつつ、スティック、トリガーも駆使している中、最も押しづらいのがLBやRBで、ここを背面パドルに肩代わりさせるだけでも非常にスムーズに入力できると感じます。

 また、一般的には右手親指は右スティックかABXYかの排他ポジションですが、これを解消し、右スティックを操作しながら(パドルに割り当てた)ABXYを押す、ということも可能になります。というか、これが基本的なアドバンテージだと思います。

 もちろん、違う場所のボタンになるので慣れは必要ですが、「いつもあの場面で、このキーを素早く押すのが辛い」ということが多いなら、パドルは効果的だと感じます。

 余談ですが、パッケージに同梱のmicroUSBケーブルは長さが3mと比較的長く、柔らかさこそソコソコなものの、耐久性の高そうなゲーマー仕様です。microUSBプラグもツメがしっかりとしており、コントローラーに装着すると簡単には抜けないようになっています。有線で利用するなら、同梱品と侮らずに利用してみることをオススメします。

“Xbox EliteコントローラーをWindows 10で使う” への3件の返信

  1. そもそも、XBOX用であり、XInput仕様の製品ですから既存のボタンの再マップしかできないでしょう。

  2. 途中送信してしまいました。(T_T)

    購入したいのですけれどね。Amazonでも予約分は完売しているという・・・
    入手はいつになる事やら・・・

  3. 日本で2月末発売で今から完売状態だと、安定供給は春ごろとかになっちゃいそうですね。

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