MDR-CD900ST + CARDAS

 
 ソニーのド定番モニターヘッドホン「MDR-CD900ST」を会社の引き出しに眠らせていたのを発見してしまったので、今どきな使い方ができるように改造してみました。といってもケーブル交換や改造はすでに多くの先達が成し遂げていますので、それらを参考に実践してみただけです。

 私が参考にしたのはアンブレラカンパニーさんのブログで紹介されていたもので、左ユニットから出るケーブルのグランドの処理を変更して、普通のヘッドホンのように、左右のグランドを結合せず4芯のまま引き出して、プラグに接続するというものです。

 ドライバーユニットの裏側のハンダ付け部分に、グランドの接点を2つに分離させる加工をするのと、4芯のケーブルを用意します。私はいつぞやMoon Audioからバルクで買ったカルダスのヘッドホンケーブルを使いました。プラグは現代的な汎用性を考えてステレオミニにしたかったので、手元に余っていた「VIABLUE」のプラグを使いました。

 私は「MDR-CD900ST」を2002年頃に買っているのですが、その後、10数年の間にドライバーユニットは細部が更新されて、LやRなどのハンダ付けされている位置が、以前のモデルと異なっているそうです。改造指南のブログを参考にする場合はこのあたりに注意する必要があるようです。

 ハンダごての小手先のコンディションが悪く、ハンダ付けはけっこう苦労して汚らしいので、途中の写真は省略しますが(笑)、ケーブルのシールドは使わず内部の4芯だけで接続しました。

 今回使ったカルダスのケーブルは外径が約5mmで、そのままでは左ユニットのハウジングの穴(おそらく4mm)を通らないのですが、青いシースを剥がすと余裕で通るので、内部に入る直前でシースをカットしました。ハウジングの中までシースごと通っているように見えますが、シースがあるのは外部に出てきているゴムパーツの中までです。

 そのほか、ユニット内でのグランド分離以外に特別な細工はなく、外見を含めて、ちょっと青くて硬めのケーブルというだけの普通のヘッドホンになった、ハズ……です。

3つあるランド? の右側、カッターで溝を作り2つに分ける改造
3つあるランド? の右側、カッターで溝を作り2つに分ける改造

 音質の変更もすでに語り尽くされている感はあるのでアレですが、左右のグランドをプラグまで結合しないケーブルの4芯化で、定位や分離が飛躍的に向上します。音場の狭さも改善して、常識的な広がりになりました。カルダスのケーブルということもあってか、以前と比べると中音域に音楽的なリッチさが加わりました。低音域も明瞭で分かりやすくなっています。高音域の、天井が近くて伸びきらない感じは元々の傾向だと思いますが、それでも太く元気よく鳴るようになりました。

 モニターとしてのフラットな特性というか、淡白な印象をやや脱して、総じて音楽的になったと言えそうです。ハイレゾ音源を鳴らしきるかというと、少し物足りない感じはありますが、解像度は高いので、思いのほか健闘します。CD音源なら気持よく聴ける感じだと思います。