ABUS Millennioflex 896とカバーの自作

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 自転車での外出が増えそうだということで、すかさず強化したのがケーブルロックです。都市部が中心のこれまでのほうが必要性は高いでしょうという話ですが、今まで使っていたそれなりに太いワイヤーロックでは、感覚的なものとはいえ不安を感じ始めていたのは事実なので、いい機会とばかりに買い換えてみました。

 今までは乗っている間、ワイヤーロックをたすき掛けにしたり腰に巻いたりしていたので、長さはこれまでと同じ850mm以上が条件で、重さも1kgは切っていたいところ。もちろん頑強性は高いにこしたことはないですね。そこでABUS(アブス/アバス)で探したところ、価格も含めてバランスよく条件に合致していたのが「Millennioflex 896」でした。850mm、736gと長さや重さは想定内で問題なし。身に付ける場合は900mmや1000mmのほうが余裕があっていいのですが、重さも増えるので850mmでヨシとします。

 ABUSではレベル15を最高ランクとして、自社製品の破壊耐性などをランク付けしていますが、「Millennioflex 896」はレベル8。これ以上のレベルになると価格はもちろん、大きさ、重さがけっこうなことになってくるので、買う側がどこでバランスをとるかという問題になります。

 「Millennioflex 896」は基本の構成をチェーンではなくワイヤーとしながらも、太いワイヤーを「グネグネ動く蛇口」みたいな構造のスチールシェルで覆った2重構造の“アーマードケーブル”シリーズで、ワイヤーが露出していない構造になっています。Webサイトの説明によれば、のこぎり→シェルが動きを吸収、ワイヤーカッター→シェルが潰れて力を吸収と、種類の異なる攻撃に対しても耐性があるようです。ケーブルの外側は自転車を傷つけないようにPVCコーティングが施されています。

 25mmと極太のケーブルですが、前述のようにワイヤーを覆うスチールシェルが鱗的な構造のため、ロックを外せば真っ直ぐにできるほど全体としてクセは無く、柔軟性は高め。2重に丸めることも可能で、バッグに入れる際も便利です。柔軟性の高さは、入り組んだところにワイヤーロックを通す際にもありがたいですね。

 私は自転車側に取り付ける付属のホルダーは使いませんが、ワイヤーロックのヘッド部分はホルダー用のマウントが合体したデザインで、ワンボタンで取り外せて、見た目もスッキリとしています。

■ボンディングでカバーを自作

 内容には概ね満足していますが、私の使い方で少しだけ気になるのは表面のPVCコーティング。早い話、ラバーに覆われているのですが、体に巻きつける使い方だと無駄にグリップ力を発揮してずらしにくく、少しだけですが扱いにくい面もあります。

 そこで、極太のチェーンロックなどであるように、丈夫な生地のカバーで覆ってあれば、いい具合に滑って扱いやすくなるのでは、と考えたわけです。また、派手にするわけではないですが、ちょっとしたカスタマイズでもあります。一応、チェーンロック・ケーブルロックのカバーのみを売っている店もありますが、話を聞くと主流は1000mm前後ということで、サイズがすこし余りそうだったのと、内容を考えると別に自分でも作れるよね……と思い至り、手芸店に足を運びました。

 手芸店では、切り売りで長さを指定して帆布を買ってきました。購入した店は50cm単位の販売でしたが、例えばユザワヤだと10cm単位の販売なので、より無駄が少ないと思います。丈夫な帆布ですが11号だとそこそこ柔らかく、厚みもそれほどではないので扱いやすいですね。カビとか油汚れを考えるとナイロン系がベストでしょうが、まぁよく見かけるディテールに仕上げるのもつまらないので、見た目や質感を優先です(笑)。

 さて、簡単に自作などという結論に至った背景には、秘密のアイテムの存在があります。秘密というか知らなかっただけですが、ボンドの布専用接着剤「布上手」シリーズです。購入したものは水性ですが、接着後も洗濯・ドライクリーニングが可能で、ナイロン・ビニールにも使えるということで、全般的に対応できるヤツです。ま、要するにですね、縫わなくてもいいんですよ。

 義務教育で裁縫をして以来、縫うなどという行為はしていませんし、ミシンはもちろん裁縫道具も持っていないのですが、とある用事で手芸店を訪れて「ボンド 布上手」を見た時、ピンときました。手芸店の店内は外様感がすごく、肩身が狭い思いだったのですが、ボンドならこれは自分の領域ではないか? と(笑)。針と糸は無いが怪我をしそうな鉄定規とハサミならある。あとは縫う代わりにボンドで接着すれば、あんなことやこんなことも……。

 とまぁそんな感じでカバーの自作ですが、基本は縫製の考え方に則り、裁断した生地の端がほつれないように、まずは外側に露出する部分を折り返して接着します。その後、ワイヤーロックに巻きつけて生地同士を接着するだけです。ファスナーやベルクロで開閉可能にすれば、ケーブルに巻きつけながら作る必要がなく、平面で作業ができて楽ですが、そこまで考えていませんでした(笑)。その分、ダイレクトに装着しながら接着した今回のカバーは、ケーブル中央部分がかなりタイトになってまして、ブヨブヨした感じは抑えられています。

 キモになるボンド「布上手」の使い勝手ですが、使用したモデルは水性ということで速乾性はそこそこ高いのですが、いかんせん今が真冬ということや生地の特性もあってか、想定より乾燥・固着に時間がかかった印象です。ここは縫製と大きく異る部分で、一工程ごとに“乾燥待ち”の時間が必要です(笑)。本を読んだりアニメを2話ほど見たりとか、ながら作業でやるのがよろしいかと思われます。

 塗布する量については、経験が浅いこともあり最適解を見いだせていないのですが、接着剤の基本と言われる、なるべく薄く塗ったほうが良い、というアプローチは、もしかしたら完全には当てはまらないかもしれません。使用した「布上手」の接着剤自体はサラサラではなくゆるいゲル状なのですが、当然ながら生地に少し染みこむため(帆布では裏まで染み出すことはありません)、あまり塗布量が少なすぎると、十分な接着力を発揮できない可能性があると思われます。生地の織り目の構造や、接着面となる表面の凹凸構造も関係しているはずなので、話が複雑になるのですが。

 ただし、前述のように気温の低い部屋で乾燥まで時間がかかったので、ただ単に乾燥していなかっただけなのを接着力が弱いと勘違いしている可能性もあるので、やはり接着したい生地の余りで事前に塗布量などを確かめるのが最善の策となるでしょう。

 今回のケースでは多めに塗布し、重しを乗せて固定した上で乾燥に時間をかけたので問題なく接着されていますが、ところどころはみ出た接着剤がツヤのあるまま固まって見えているので、良くも悪くも手芸ではなく工作臭がしています(笑)。

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