ウォークマン用 自作ラインアウトケーブル

 「ウォークマン F800」導入にかかるもうひとつのおハナシは、ウォークマンのドックコネクタであるWM-PORTに接続するアナログのラインアウトケーブルを自作してみたというものです。自作といってもケーブルや各パーツは商品として売っているもので、自分がしたのはケーブルを切って剥いてハンダ付けしただけです。今回作ったような内容のケーブルは、オヤイデの店頭などでも売っていたりしますから、この世に存在しないものを作ったわけではありません。プラグとか線材、ケーブルの長さを自分好みのものにしたかったというのが主なところです。

 ステレオミニのプラグはL型がオヤイデの「P-3.5 SRL」で、オヤイデ直販のほかヨドバシでも売っていました。ストレートのプラグはViablueの「T6S」で、これはリンク先の「feketerigo(フェケテリコ)」の通販で買いました。どちらも1個1000円前後です。WM-PORTの端子部分はオヤイデや千石電商で売っている「ウォークマンケーブル自作用ドックコネクタキット」という自作用キットで、こちらは1個420円です。ハンダは、銀が4.7%含まれたオヤイデの「SS-47」を使いました。

 ケーブルは国内で探してもよかったのですが、外装に色の付いたものにしたかったのと、音の傾向がつかめているということから、「Moon Audio」で販売されている切り売りのケーブルを注文しました。2種類頼みましたが、どちらも4フィート(1.2m)で買ってみました。

 青いのはカルダスのヘッドホン用ケーブルで、4×24(24AWGの線が4本)、4芯+シールドのケーブルです。線材は銅で、1フィートあたり8ドル、計32ドルです。赤いのはMoon Audioオリジナル(ですよね?)のケーブル「SilverDragon」で、バージョンは少し前の「V2」です。線材は銀で、こちらは少し高く1フィートあたり18ドル、計72ドルです。SilverDragon V2も4芯+シールドですが、コットンのヒモが4芯と一緒に撚り線になっていました。あとSilverDragon V2にはMoon Audioの製品にみられる黒のメッシュのスリーブが付いてきましたが、けっこうケーブルが曲がりにくくなるので、用途から考えて外しました。

 外径はどちらも約5mmです。オヤイデのプラグはケーブル外径6mmまで対応しますが、ドックコネクタキットが外径5mmまでなので、そこにあわせています。色は鮮烈な青と赤……と言いたいところですが、それほど鮮やかではなく、理科室の人体模型の動脈と静脈を思い出させる色です(笑)。

  

 ハンダ付けは、オヤイデのL型プラグでグランドをハンダ付けするのにちょっと苦労しましたが、まぁこれは私はあんまりハンダ付けの(種類の)経験が少ないことも影響していると思います。Viablueのプラグはバラすとハンダ付けする端子だけになるので作業はしやすかったです。ドックコネクタキットは……説明書が付いているので迷うことはありませんがとりあえず小さいので先の細いハンダこてが必須なのと、少量のハンダ付けを心がける、予備ハンダで万全を期すといったところでしょうか。チップ抵抗はピンセットがいるのと、作業全体でそうですがミニバイス(万力)かハンダ付けヘルパーがいると思います。あとハンダの作業の基本ですが、コテの先端をつねに綺麗にするスポンジですね。ハンダ付けする製品側に慣れてないので公開するのがためらわれるデキですが、テスターで逐一導通を確認しながら作業をしまして、ひとまず完成となっています。

 2種類のケーブルを買ったので、カルダスのケーブルはWM-PORTのコネクタに直付するウォークマン専用にし、SilverDragonはステレオミニプラグで汎用的なものにしてみました。どちらもL型プラグはポータブルヘッドホンアンプに接続する想定なので、ケーブルの向きとして先端側にL型プラグを付けています。

 ヘッドホンアンプと接続するラインアウトケーブルといえば10cmそこらの短いものが主流ですが、今回はあえて1.2mと、イヤホンなどと同じ長さにしてみました。

 これは、プレーヤーをヘッドホンアンプに重ね、バッグに入れて持ち運ぶのではなく、バッグにヘッドホンアンプは入れたままで、プレーヤーだけをポケットに入れたり手元で操作したりできるようにするためです。

 「CK4」を選んだ際には物理ボタンがあることも重視していましたが、タッチ操作全盛の今ではそうした条件が非常に選択肢を狭めているのは確かです。「ウォークマン F800」は右側面にボリュームボタンと「W.ボタン」が搭載されていますが、「W.ボタン」で呼び出せる機能はタッチ操作なので、結局のところすべてがタッチ操作です。ボリュームボタンもラインアウトケーブル接続時には無効になります。

 Bluetoothに対応しているので、AVRCPで接続されたBluetoothアダプターで選局や再生・一時停止などの操作が行えれば、まとめてバッグに入っていても問題ないと考えていましたが、ボリュームの整合性からか、実際の「F800」は音の出力がしっかりと排他制御されており、Bluetoothを接続するとラインアウトを含めほかからは音が出なくなります。また、Bluetoothの優先度は高くなっており、ラインアウトで音を出している最中にBluetooth接続を確立すると、ラインアウトから音は出なくなり、Bluetoothに切り替わります。

 最後の隠し玉的に考えていたBluetoothのAVRCPによる操作が、ラインアウトと同時に行えないことが判明した時点で、これはいよいよ根本的に考え直す必要があると思い、妥協点を含みつつ、しばらくこれで試してみようと考え至ったのが上記の“長いラインアウトケーブル”というわけです。

 個人的に、ヘッドホンアンプは服のポケットに入れたりせず大前提としてバッグに入れていることがまず大きな要因ですが、ヘッドホンアンプとプレーヤーを重ねて持ち運ぶのは、楽曲の操作という意味で限界があります。「ちょっとこの曲じゃなくて次の曲かな」「そういやあのアルバムの曲ちゃんと聞いてない」といったように、気分に従えば従うほど突発的に楽曲を操作することになりますが、バッグに入っていてはなかなかスムーズに操作できません。それでも今までは物理ボタン搭載モデルにこだわっていたので、バッグに手を突っ込んでブラインドで操作できましたが(といってもできるのは一時停止と選曲ぐらいですが)、タッチ操作となるといよいよブラインドでは操作できなくなります。

 ワイヤードでプレーヤーだけをバッグから引きずり出すというのは、発想として奇抜というわけでもない(?)でしょうが、ヘッドホンアンプとプレーヤーは重ねてセットで、と盲目的に考えていたので、私の中ではちょっとした運用方法のパラダイムシフトなわけです。

 メリットは、タッチ操作オンリーといったプレーヤーの形にとらわれないこと。今回のウォークマンのようにタッチ操作主体でも問題なく、アルバムアートを見ながらじっくり選んだり、気分でアルバムを渡り歩いたりと思いのままです。状況としては、プレーヤー+イヤホンで運用するカジュアルなスタイルに近いかもしれません。気のせいかもしれませんが。

 デメリットは、イヤホンのケーブルに加えてさらに1本、バッグから出るケーブルが増えて、見た目を含めて煩雑になることです。バッグを下ろしてどこかに置こうとすれば、慣れていないとケーブルが絡んだり引っ張ったりで訳がわからないことになります。見た目の部分では、今回あえて赤と青で目立つ色にしたのですが、最近では街中で「beats」の赤いケーブルをよく見かけるようになってきましたし、このダブルワイヤードスタイルが……っていうのは無理があるんでしょうね……。まぁ、おとなしく黒いケーブルを使えば、少なくとも見た目の意味不明さは和らぐと思います。あと、都市部ではすれ違いざまにケーブルを引っ掛けられないようにちょっと気を使います(笑)。

 もっとも、ボリューム操作は相変わらずバッグの中のヘッドホンアンプに手を突っ込むことになりますが、ボリュームに関しては微調整はしても緊急的な操作はそれほど必要ないと思うので、これまで通りな感じです。

 ポータブルヘッドホンアンプの愛用者として、その運用方法に一石を投じる、というのは言い過ぎでしょうが、同じような悩みを持っているなら、まずは安価な延長ケーブルなどで上記のダブルワイヤードスタイルの具合を確かめてみるのも、もしかしたらいいかもしれません。

“ウォークマン用 自作ラインアウトケーブル” への2件の返信

  1. こんばんは。
    いつもブログを楽しく見させて頂いております。

    特にオーディオ系統は私も趣味でして非常に参考にしております。
    RSA SR-71Bですが、バランス仕様での音を数ヶ月試してみていかがですか?
    私は初代SR-71は持っているのですがA・Bは所持していないので非常にその後が気になります。

    また私が所持しているSR-71のシリアルは6544なのですが、これは中期型なのでしょうか?
    前期後期で音の傾向が違うのか気になります。
    所持されている初代SR-71は初期型ですか?

  2.  こんばんは。

     「SR-71B」のバランスの音ですが、当初の記事にも書いていますが、音の分離や点音源化が、個人的に一番効果が出ているなと感じました。音色の傾向というよりは、音(楽器)のあり方、聞こえ方の違いといった印象を受けています。空間というか、距離感みたいなところは録音次第なところもありますが、おおむね好意的にとらえています。少なくともUE18で聞くなら、もうアンバランスには戻りたくないなと思っています。

     音の傾向は「SR-71」から「SR-71B」まで大きく路線が変わっている印象はなく、アンバランスに限れば「SR-71A」と「SR-71B」は表現力や音色も似ていると思っています。

     私が持つ「SR-71」のシリアルは6490となっていますね。「SR-71」はTTVJで購入しましたが、それほど早期に買ったという記憶はありません。ただ、申し訳ないですが、前期型や後期型といったロットの違いによる情報は持ちあわせていませんので、生産時期における音の傾向の違いについては分かりません。

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