Xbox EliteコントローラーをWindows 10で使う

 「Xbox Elite ワイヤレスコントローラー」(以下Eliteコントローラー)が発売されたので、“Windows 10用として”買ってみました。

 このコントローラーは「Xbox One Elite」とセットになっているコントローラーで、米国、欧州ではコントローラー単体でも、本体セットと同じ2015年10月末に発売されました。日本ではこのコントローラーがセットになった「Xbox One Elite」が2015年11月19日に発売される予定ですが、(恐らくコントローラーの)生産数が当初少ないことを見越してなのか、日本でのコントローラー単体の販売は、2015年11月初旬時点でもアナウンスされていません。関係筋によると年内の単体販売は難しいとの情報もあり、コントローラーだけ欲しい人はしばらく我慢の時期になるようです。

■輸入しました

 私はというと、いつぞやのXbox Oneコントローラーと同じく輸入を画策しましたが、9月下旬になって探し始めたところ、米国のAmazon.comではマイクロソフトのリージョン管理に従ってか、日本への輸出をしない販売店がほとんで、eBayを含めて、すでにプレミア価格に値上がりしていたため、まだ平穏だった英国のAmazon.co.ukで注文しました。

 英Amazonでの注文日は10月10日で、マーケットプレイスの販売店ではなく、Amazon.co.ukが販売・発送する(プレミア価格でない)商品を予約できました。英Amazonではその後、発売日や入荷状況が二転三転したものの、比較的初期の予約であったためか、11月2日に発送され、少しだけ速い配送にしたので11月4日に自宅に到着、不在だったため翌5日に受け取ることができました。

■Windows 10で使います

 Eliteコントローラーの概要は、すでに日本語で紹介している公式ページがあるので割愛しますが、ここではXbox Oneを持っていない(!)私が、Windows 10で利用する際の環境を含めて紹介していきます。

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Xbox One ワイヤレス コントローラーをWindowsで使う

【2015年8月3日】 記事末尾にWindows 10での挙動を追記しました。
【2015年11月10日】 別記事で「Xbox EliteコントローラーをWindows 10で使う」を公開しました。
【2016年11月17日】 Windows 10対応で、USBとBluetoothに両対応の新モデル「Xbox ワイヤレス コントローラー」が発売されました。これから買うならオススメだと思います。

  
 「Xbox One ワイヤレス コントローラー」がWindowsで使えるようになるUSB接続用のドライバの提供が開始されたというので、米Amazon.comで「Xbox One Wireless Controller」だけ買ってみました。充電式電池が付いたプレイ&チャージキットとのセットではなく、コントローラー単体です。購入時の価格は49.87ドル、送料込みで62.85ドル(6697円)でした。2014年6月の時点で日本で並行輸入品として売っている価格より少し安かったですが、Xbox Oneが日本で発売されたらコントローラーも5980円で発売される予定です。急いでない人は2014年の9月を待ちましょう(笑)。

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ThinkPad Bluetooth キーボード

 「ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボード」を買ってみました。私は英語キーボードを使うので、製品番号は「0B47189」です。

 私の用途はというと……MMORPGの「ファイナルファンタジーXIV」をプレイしながら、だらしなくチャットをするためです(笑)。ソファに座りながら使うコンパクトな無線のキーボードが欲しくなったので、ついでにモバイル用途でも活躍しそうなコレを買ってみたというわけです。「FFXIV」のゲームプレイ自体はゲームパッドを使うスタイルを選んでいるので、チャットをするときだけキーボードを使うという感じです。傍らに適当に置ける無線キーボードがありがたいわけですね。

 バッテリー内蔵型で約30日間駆動(参考値)、充電はmicroUSB端子で、端子の近くには充電時専用のLEDインジケーターを備えています。電源のオン・オフ時には、キーボード面の右上にあるステータスインジケーターがスーッとフェードイン・フェードアウトするので、状態が視覚的に分かりやすくなっています。インジケーターはどちらも伝統的な緑色で、バッテリー残量低下時のみオレンジ色の点滅です。裏側の角にNFCタグも搭載され、ペアリング補助機能を利用できます。ちなみに、USB接続は充電のみで、USBの有線キーボードとして使えるわけではありません。USB接続モデル(Bluetooth非対応)は別モデルとしてラインナップされています。


 

CSRのBluetoothアダプターでつまづく

 「FFXIV」をプレイしているデスクトップパソコンはBluetoothに対応していなかったので、ロジテック/エレコムのBluetoothアダプター「LBT-UAN04C1BK」を買ってきて取り付けたのですが、ここで少しつまづきました。というのも、「LBT-UAN04C1BK」はCSRのBluetoothチップを搭載しているということで、「apt-X」など含め高度な機能を使うために「CSR Harmony」をインストールし、CSRのBluetoothスタック(≒ドライバ)を使うことになっているのですが、なぜかこれだと「ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボード」を一番最初にペアリングする際のペアリングコード(パスコード)の入力画面が表示されず、ペアリングが正しく完了しないため、キーボードを使い始めることができませんでした。このBluetoothアダプターとAndroidスマートフォンとは普通にペアリングできましたし、あくまでCSRのチップもしくはソフトウェアと、「ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボード」との組み合わせでのハナシです。

 また、私のWindows 7 Professional 64bitの環境では、「CSR Harmony」(バージョン 2.1.63.0)をインストールする際にC++関連のエラーが出たりと、不穏な空気が漂っていたのと、付加機能はともかくキーボードが使えないとさすがに意味が無いので、「CSR Harmony」の利用は諦めてアンインストールしました。

 使う機会が無かったのでよく理解していなかったのですが、Windows 7には標準でBluetoothスタックが用意されており、Bluetoothアダプターを装着するだけで標準的なBluetoothスタックが読み込まれ、利用できるようになります。タスクトレイにもBluetoothのアイコンが追加され、管理が可能になります。私はひとまずキーボードとマウスなど基本的なものが使えれば問題ないので、OS標準のBluetoothスタックを使うことにしました。

 しばらく使っているとBluetoothアダプターが何かのタイミングで沈黙し、復帰できなくなる現象が発生していましたが、デバイスマネージャーにて「Bluetooth 無線」ツリーの「Generic Bluetooth Radio」のプロパティから「電源の管理」タブを選択し、初期設定でオンになっている省電力関連の項目のチェックボックスを外せば、以降はアダプターが不意に沈黙することはなくなりました。

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 ちなみに、上記の環境ですが、Windowsのログオン時のパスワード入力もできました。

 このほか重要な準備としては、「ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボード」の場合は、固有の機能を使うために、レノボのWebサイトからドライバ(tp_compact_keyboard_1491.exe)をダウンロードしてインストールしました。製品パッケージには導入マニュアルだけで、詳細なマニュアル(ユーザーガイド)は付属していないので、こちらも一緒にレノボのWebサイトからダウンロードするのがいいと思います。

 

フルサイズ、キーピッチ19mm

 製品の主要な特徴はレノボの紹介ページをご覧いただくとして、基本的な部分は予想通りの内容で満足度は高めですね。剛性も及第点で、キーストロークやクリック感も必要十分だと思います。

 キーの配置やキーピッチは、私が持つ「ThinkPad X1」(Carbonではないですよ)と同じ。右下に位置するカーソルキーはサイズが大きめで、X1よりもThinkPadの伝統に近い形ですが、少なくともキャラクターキーについてはフルサイズのキーボードと同じで、上下・左右ともに19mmのキーピッチです。キーストロークの浅さを除けば、違和感なく使えます。そういう意味では、モバイル用にコンパクトさを追求してサイズやキーピッチを犠牲にするのではなく、フルサイズキーボードの必要な部分だけを切り出した、使用感重視の仕様といえるでしょう。

 

ファンクション・キーを復権せよ

 旧来からのThinkPadユーザーには問題視される、最上段のファンクション・キー(F1~12)があるべきところの段には、ミュートや検索などの「ホット・キー」がデフォルトで鎮座し、サブ機能としてF1~12が割り当てられています。キートップの右下に肩身狭く印字されているこのF1~12は、「Fn」キーとの同時押しで使います。

 ただし、ESCキーに印字されているように、Fnキーのロック機能「FnLk」が用意されており、NumLockと同じように、これを一度オンにしておけば常時Fnキーが押された状態になり、F1~12をキーコンビネーション(ほかのキーとの同時押し)無しに使うことができます。

 別の言い方をするなら、FnLkのオン・オフにより、ホット・キーに印字されているメインとサブが入れ替わるということです。サブ側になったほうは、Fnキーとの同時押しで使います。

 WindowsキーのデザインがWindows 8に準拠したものであることを見ても分かるように、伝統的なファンクション・キーに代わって搭載されたホット・キーの内容は、Windows 8、それもタブレット型端末などでの利用を想定したものでしょう。今のところ私にはあまり意味はありませんが、使っているOSによって便利さは変わってくるということだと思います。

 ちなみに、FnLkのオン・オフについて、インジケーターなどは用意されていませんが、ドライバを正しく入れていれば、FnLkのオン・オフ時に3秒程度、画面にアイコンが表示されます。パソコンで利用している場合、キーボードの電源を切ってもFnLkのオン・オフは記憶されているので、自動的に元に戻ることはありません。

 むしろ問題視したいのは、ESCキーから始まる最上段のキーの並びに区切りがなく、F1~12の場所を、見た目で判別しづらいという点でしょうか(これは「ThinkPad X1」でもそうでした)。ミュートや検索といったホット・キーとしての利用がメインというコンセプトなので、4つごとの区切りは不要ということなのでしょうが、F4やF7、F10とかを頻繁に使う私には、不満が残る部分です。

 Home、End、Insert、Delete、PrtScキーの配置や、カーソルキー「↑」の両脇に配置されたPgUp、PgDnキーについても、古のThinkPadユーザーには不満が残るところでしょうが、X1との写真を見ても分かるように、このキーボード固有の問題ではなく、ThinkPadとしての世代の問題なので、ここでは割愛します。

 
 一方で見た目はスッキリとしました。2013年末のモデルからThinkPadシリーズには新しいデザインコンセプトが反映されており、従来は必ず青色だったFnキーのサブ機能の印字も、すべて白系で印字されるようになっています。このため、キートップの見た目は以前よりもスッキリとした印象です。

 最後になってしまいましたが、「ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボード」の大きな特徴は、ThinkPadユーザーには当たり前すぎて違和感がないのですが、トラックポイントを搭載 ―有り体に言うならマウスを内蔵― しているという点です。キーボードとマウスがどちらも無線で使える、という点は使ってみるまで軽く忘れており(笑)、ソファに座って使い始めて「あれ、これってもしかして、パソコンの全部の操作ができるのか……」と改めて気がついたのでした。価格についても、Bluetoothマウスの代わりになるトラックポイントが搭載され、充電式のバッテリーを内蔵している点も含めると、妥当な範囲かなと思いました。

 これまたありがちですが、この記事は写真現像時のマウス操作を含めて、すべて「ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボード」を使って書いてみました。モバイル用やゲームのチャット用はもちろん、パソコン用としてわりと真面目に使えるキーボードだと思います。

ThinkPad X1

 おうち用ノートパソコンとしてレノボの「ThinkPad X1」を買ってみました。モデルは店頭売り用の「1286-2HJ」で、Core i5に128GB SSD、Windows 7 Home Premium 、WiMAXと上位モデルに近い構成ですが、発売から半年ほど経過していることなどもあり、発売時の半額程度でした。

 X30、X60s、X100e(Linux遊び用)とノートパソコンは図らずも「X」畑を歩んできたのですが、X1発売当時の印象は、仕事用としてみるとあまり良くはなく、X300系の流れ? で高価という印象と、グレア液晶とかありえない……という感じでした(笑)。重さも1.7kg、ACアダプターを入れると約2kgなので、仕事で「D3」+「24-70mm」などと一緒に持ち運ぶのは遠慮したい感じです。価格は時間の経過で解決しているとはいえ、ピカピカの液晶は個人的に嫌いなので、仕事用あるいは家庭用でもメインディスプレイとしては今後も選択肢には入らないでしょう。もっとも、Gorilla Glassを採用ということで、数多のユーザーが経年とともに直面する、トラックポイントやキートップが擦れてディスプレイ表面に消えない跡が残る、という問題を(恐らく)解決している点は評価したい部分です。ディスプレイを開けると、ほかの人から見てロゴが逆さまになるのは、変えて欲しいとろですが。

 X1は、後の2012年に発表された最新の「X230」に代表される、ThinkPadの象徴的なシリーズを先取りしたいくつかの特徴を備えています。代表的なのは古参ユーザーが騒いだ、ついにメインストリームにやってきた6段配列かつアイソレーション・キーボードでしょうか。個人的には以前の7段でも今回の6段でも、アイソレーション・キーボードでも問題ないので別に気になりませんが、唯一にして大きい問題は、F4とF5、F8とF9の間に隙間がなく、ファンクションキーの配置がパッと見で認識しづらい点でしょう。6段化の弊害と言えなくもないですが……自分でF4とF5の間にマーキングしようか、とか思ってしまいます。

 従来ならディスプレイ側に付いていたキーボード・ライトは廃止され、キー内部に埋め込まれたLEDによるキー・バックライトになりました。これを受けてキートップの素材は透明なものになり、その上に、光る文字部分になる白の塗装、さらにその上に文字の形をくり抜いた黒の塗装、という2色成型のような仕上げです。このためか、キートップの印字には、以前のデカールのようなモヤモヤとした余白が無く、見た目にシャープになっています。バックライト化の副産物とはいえ、嬉しいところです。キータッチは見事なもので、特にボディ側の剛性感がかなり高く、結果としてキーユニットの素性の良さが出ているようです。

 X1では薄さを追求するためか、本体を分解しない限りバッテリー・パックは取り外せない仕様です。このあたりはいろいろな要求が多そうなX230とは違って、薄さを追求したX1ならではの割り切った部分でしょう。部品交換の際は、BIOSでバッテリー・パックを(一時的に)無効化する項目を選択すると電源が落ちるので、その後に作業をします。ACアダプターを接続するとこの設定は自動的に元に戻ります。ちなみに、ハードウェア保守マニュアルや交換部品にはバッテリー・パックも解説およびラインナップされているので、バッテリー・パックの交換自体は可能です。

 購入した店頭モデルの搭載OSはWindows 7 Home Premiumですが、SSD(東芝製でした)はさすがに段違いに快適ですね。現在仕事で使っているX60sはSSDに換装しWin 7 Proをインストールして使っていますが、普段は必要十分な快適さで、買い替えどきを逃している感じです。X1のメモリは4GB(サムスン製でした)でスロットは1つだけなので、秋葉原でCorsairの8GBのメモリを4000円弱で買ってきて換装しました。



 キーボードは、本体が店頭売りのモデルなのでカスタマイズできませんから、IBMの部品センターに電話とFAXで注文し、交換パーツとして英語キーボードを入手しました。「米国英語」でFRU番号は「04W0980」です。価格は1万4000円、送料・税込で1万5750円でした。実は初期搭載の日本語キーボードは左クリックのボタンが不良品気味だったのですが、交換した英語キーボードでは問題なく動いており、一安心です。購入した英語キーボードと日本語キーボードのメーカーですが、パンタグラフのパーツ構成を見る限りは同じようです。

 ドライバについては、これまでのようにAXキーボードドライバを比較的強引に入れたのですが、アサインが無いハズの右Ctrlを押すとGoogle日本語入力が「カタカナ」入力に切り替わってキー操作でひらがな入力に戻せなくなったり、右フレームにあるボリュームボタンとミュートボタンが動作しなくなったりと不具合が散見されたため、大人しく通常の101英語キーボードのドライバにしています。

 冷静に考えると、キーボードだけでなく液晶からネジまでパーツ単位で保守部品を購入でき、分解・搭載するマニュアルまで用意されているというのは、ThinkPadの伝統とはいえ、継続している点でも凄いことです。

 ちなみに届いたパーツには連絡事項として紙が同封されておりまして、IBMによるレノボ保守部品の販売は、業務委託契約の満了につき2012年7月14日で終了すると案内されていました。文面にはちぐはぐで意味が分からない記述もあり(笑)、詳細を正確には理解しかねているのですが、保守部品について、7月15日以降は「レノボ・スマートセンター」に電話(フリーダイヤル)で注文するということになるようです。おそらく。また、「レノボ・パーツ販売サービス窓口」という(こちらはパーツ販売と明記された)メールアドレスも用意されるようで、メールアドレスは「 partsales_jpあっとれのぼどっとこむ」となっています。現在のIBM部品センターの電話番号(下4桁が8607)は7月14日以降、自動案内に切り替わるとのことなので、もしかしたら新しい連絡先はそちらで確認できるかもしれません。
 

東芝 FlashAir

 東芝の無線LAN搭載SDHCメモリカード「FlashAir」(SD-WL008G)が3月10日に発売されたので買ってみました。

 以下は長くなったので簡単に書いておくと、FlashAirは無線LANアクセスポイントとなり、スマートフォンなど接続した端末のブラウザで中身を見たりコピーしたりできるというものです。

 同じように無線LAN搭載のSDカードとして「Eye-Fi」がけっこう前から販売されています。今までEye-Fiの対抗となる製品がほぼ出てこなかったのは、よくよく考えてみると少し不思議なくらいですが、この東芝のFlashAirはさまざまな意味でEye-Fiとは異なるアプローチになっており、単なる二番煎じになっていないのが興味深いところです。

 今のところラインナップは1つで、SDHCの8GB、Class 6というものです。容量や速度については今後の動向を見ながら拡充が検討されていくようです。8GBのメモリーのうち、ユーザー領域は7.2GBで、無線LANの仕様はIEEE802.11b/g/n、セキュリティはWEP、TKIP、AES(WPA/WPA2)となっています。通常はWPA2-AESが使われます。なお、Webサイトなどで紹介されている機能のうち、いくつかは対応カメラの登場を待つ状態となっており、現時点で利用できるのは「ワイヤレスデータ転送」のみと、シンプルな内容です。

 無線LANについては、国内の無線認証(技適)だけでなく、北米、欧州の認証も取得していることで35の国と地域に対応し、今後も拡大される見込みです。これにより、外国旅行に持参した際には胸を張って利用できるというわけです。もっとも、従来から無線認証の有無がエンドユーザーレベルで問題になることは少ないですが、この製品がグローバルで販売されることを念頭に置いて開発されているという証でしょう。カードの裏側には認証番号やマークや印字されています。

 Eye-Fiはデジタルカメラとデジタルビデオカメラでの使用が前提でしたが、FlashAirはSDHCカードに対応する一般的な機器なら基本的に対応できます。もちろん、カメラが主要な用途として想定されていますが、仕組みとして標準的なものを利用しているので、カメラ系にとどまらず幅広く利用できるのが特徴です。私はデジタルカメラで利用するつもりですが、アイデア次第でカメラ以外でもいろいろ活用できそうです。カメラ系の対応機種はWebサイトで案内されています。


 
■FlashAirに保存されているデータをブラウザで表示

 メモリー部分については特筆すべきところはありませんので、気になるのは無線LANの通信部分です。無線LANを利用した通信機能としては、「ワイヤレスデータ転送」「P2P」「サーバーアップロード」の3つが用意されていますが、「P2P」「サーバーアップロード」はカメラ側の対応が必要ということで、現時点では利用できません。ちなみに、「P2P」機能はFlashAir対応機器同士でデータ転送を行う機能です。「サーバーアップロード」機能はオンラインサービスやブログにデータをアップする機能で、公衆無線LAN経由にも対応すると案内されています。

 「ワイヤレスデータ転送」機能が現時点で使える機能ですが、これはFlashAirが無線LANアクセスポイントとなって、クライアントの接続を待ち受けるというものです。考え方はEye-Fiのダイレクトモードと同じです。SSIDとパスワードはFlashAirに初めて接続した際に設定できます(次回接続時には設定画面が出なくなります)。専用ソフト「FlashAirTool」(Windows版のみ)を使ってSSIDを設定・変更することも可能です。

 FlashAirに対しては、スマートフォンやパソコンなど無線LANに対応した機器から、前述のSSIDを検索・選択して接続します。するとFlashAirからはローカルIPアドレスが割り振られ、無線LANルーター、あるいはモバイルWi-Fiルーターなどに接続した場合と同じ状態になるわけです。もちろん、インターネットには接続できるわけではありません。確か4台まで同時接続ができたと思います。

 次に、スマートフォンやパソコンなど接続した機器でWebブラウザを開き、URLに「http://flashair/」(あるいは http://192.168.0.1/)と入力しアクセスすると、FlashAirのメモリーに保存されているデータが(ブラウザ上に)表示されます。そして、必要なデータをスマートフォンなど端末側に保存すれば、データの転送が完了するという訳です。メモリー側は動いているので、この状態でFlashAirが装着されたカメラで撮影を行えば、リアルタイムにデータが増えていくのを確認できます。画像はサムネイルが表示され、それなりに高速に表示してくれます。サムネイルは元画像にリンクされています。

 保存や表示内容はFlashAirというよりブラウザ側の挙動によるので一概には説明できませんが、Androidでは標準ブラウザ、Chromeで問題なく動いています。機会があってiPhoneや“新しいiPad”でも試しましたが、元画像の表示はSafari上では縮小されるものの、保存するとちゃんと元画像のサイズでした。

  

 メモリー内のデータにWebブラウザでアクセスできるという汎用的な方法を採用することで、クライアントを選ばない仕組みになっており、専用アプリが要らないのは比較的分かりやすいといえます。また、FlashAirに保存されているデータは画像に限らずすべて表示され、ブラウザの操作により端末側にコピーすることができます。もちろん、端末側でそのデータが扱えるかどうかは別問題です。

 現時点での課題は、写真データの一括コピーができず、写真を1枚ずつ保存する必要があるという部分ですが、ブラウザで表示しているので、パソコンであればダウンロードツールを使うことができます。Webブラウザでの表示においては、分類やソートなど表示方法も拡充してほしいところですが、ここはHTMLの見せ方次第ともいえるので、ファームウェアのアップデートで改善されることを期待したいですね。スマートフォン用アプリが出てくれば、こうした使い勝手は大幅に改善されるかもしれません。

 なお、このWebブラウザでアクセスするFlashAirのWebサーバー機能では、ブラウザ上の操作でデータの削除はできません。これはFlashAirが装着されたカメラ側との整合性をとるためで、あくまで閲覧や端末へのコピーが基本となります。削除はカメラなどFlashAirが装着されている機器側で行います。

 Eye-Fiのダイレクトモードは、基本的にスマートフォンのアプリのみに対応し、アプリのみがEye-Fiと接続できる仕様です。また、自動転送を基本としているため、スマートフォンに“自動的に送られてくる”という感覚で利用するものでした。一方、FlashAirの「ワイヤレスデータ転送」はスマートフォンなどから“取りに行く”という感覚で、ユーザーの任意のタイミングで操作や転送を行うことになります。この点では、Eye-FiとFlashAirは正反対の感覚といっていいでしょう。

 
■無線LANの自動起動モード

 転送方法と並んで気になるのは無線LANの通信機能を起動させるタイミングです。カメラ側の電池の消費を考えると、無線LANを常時ONにしているのは現実的ではありません。FlashAirでは装着した機器の電源が入ると自動的に無線LANがONになる(SSIDが見えるようになる)自動起動モードが、デフォルトとして設定されています。起動モードの変更は前述のWindows用ソフト「FlashAirTool」で行えます。

 起動モードは関係ありませんが、無線LANがONになってから実際にSSIDが見えるまでには、だいたい20~30秒程度の時間がかかるようです。

 自動起動モードにはタイムアウト時間が設定されており、デフォルトでは5分です。1分、3分、5分、10分から選択できます。タイムアウト時間とは、無線LANが接続されていない時間を指しています。タイムアウトで無線LANがOFFになった場合は、カメラの電源を入れ直すなどすれば再びONになります。

 ここで気付いた人もいるかもしれませんが、この自動起動モードは、別にカメラに装着されている状態でなくてもかまいません。FlashAirに対し電源が供給されれば起動するのです。つまり、SDHC対応のリーダーライターやパソコンのSDHC対応カードスロットなどに装着しても、自動起動モードであれば無線LAN機能が起動します。節操がないといえばそれまでですが(笑)、Webサーバー機能では画像に限らずすべてのデータを表示できる点を組み合わせて考えると、この単純さは使い勝手の幅を広げてくれるでしょう。

 
■無線LANのマニュアル起動モード

 無線LANのもうひとつの起動方法はマニュアル起動モードです。これは、FlashAir内に予め用意されている画像の、プロテクトを解除する(無線LANをON)、再度プロテクトをかける(無線LANをOFF)という、ちょっとユニークな方法で操作します。画像のプロテクトというのはデジタルカメラならどの機種でも用意されている、カギのマークのアレです。上の写真はカメラの操作画面のようで紛らわしいですが、JPEG画像を表示しているだけで、この画像に対しプロテクトをかけたり解除したりすることがトリガーとなります。

 プロテクトを解除した状態、すなわち無線LANがONの状態でカメラの電源を切った場合は、再度電源を入れただけでは無線LANはONにならないので、無線LAN操作用の画像に一旦プロテクトをかけ、再度解除することで無線LANが起動します。

 前述の自動起動モードの場合は、この画像のプロテクトによる無線LANの操作は行えません。

 マニュアル起動モードで無線の操作に使う画像ですが、FlashAir内の「DCIM」フォルダの中にある「100_TSB」というフォルダに保存されています。注意が必要なのは、デジタルカメラなどでメモリカードのフォーマットを行うと、この画像を消してしまうということです(FlashAirToolで戻せます)。自動起動モードには影響はありませんが、マニュアル起動モードに設定していた場合、この画像がないと無線LANを起動する手段が(一時的とはいえ)なくなってしまうので注意が必要です。この仕様はパッケージ付属のマニュアルでも別紙で注意喚起がなされています。フォーマットしてしまった場合は、前述のWindows用ソフト「FlashAirTool」を使って「カードの初期化」を実行することで元に戻せます。ただし、初期化なのでSSIDなどの設定も出荷状態に戻ります。

 なお、カメラによっては「100_TSB」というフォルダ自体を見られない場合があります。その場合はマニュアル起動モードは利用できないので、自動起動モードで利用することになります。

 
 このほか、CFアダプターを用いて、対応機種でないデジタル一眼レフカメラにFlashAir装着しても、無線LANを起動させることができます。当然、利用は自己責任です。なお、CFを利用するようなデジタル一眼レフカメラは、カードスロットへの電源供給をカットする、軽いスリープモードのような機能を備えている場合があるので、そうした設定を変更する必要があるかもしれません。私が持っているニコンのデジタル一眼レフカメラでは「半押しタイマー」なる設定がそれで、この設定を長時間の設定や無限(=OFF)などに設定してやることで、FlashAirを問題なく使うことができました。これはEye-Fi利用時でも同じです。カメラ側の電池の消費は気持ち早くなるので留意する必要はありますが。

 上の写真のニコン「D3」はType II対応のCFスロットなので、写真のサンワサプライのCFアダプター経由でFlashAirを装着できますが、D3は「100_TSB」フォルダを認識しないため、マニュアル起動モードは使えず、自動起動モードでのみ利用できました。ちなみにニコンでは「D4」「D800/E」「D700」など新しいモデルはCFスロットが薄型のType I になっているため、写真のType IIのCFアダプターは装着できません。で、恐らく、SDHC対応のCFアダプターはType IIの製品しかないと思われます……。

 CFではなくSDHCカードに対応しているリコー「GXR」はどちらの起動モードでも問題なく利用できました。

 
■Webサーバーの機能拡充、アプリの登場に期待

 現時点では、Webブラウザでアクセスして1枚ずつ端末に保存するという内容ですが、スマートフォン上で利用する目的なら、ひとまず大きな不満はありません。スマートフォン用アプリがどういった仕様になるのかは分かりませんが、FlashAir側にデータをアップロードするような仕組みがあっても面白いかもしれません。

 8GBで、ヨドバシカメラでは6980円と、先端ユーザーには不満が残りそうな面もありますが、このあたりは今後のラインナップの拡大に期待したいところ。東芝のような大企業がリリースし、かつEye-Fiの対抗馬としては十分に興味深く、ポテンシャルを秘めていると感じます。